孤独な姫と溺愛王子
「あれ、響也は?」
「さっき購買行ったよ!もう来ると思う!」
そう話ていると、ズシっと頭に重みを感じる。
「なになに、俺の話〜?」
なんて聞いてくるこいつがあたしの数少ない友達の1人である、深瀬響也(フカセ キョウヤ)。金髪にゆるーい口調のチャラ男だが所謂、イケメンに分類される為、モテる。
しかも、こう見えてここら辺一帯を仕切る暴走族”白虎”の総長だったりする。
こんな奴がトップで大丈夫かと思ったが頭はキレるし勿論、喧嘩も強いからまぁ納得。
「つーか、澪はまた寝坊かよ」
「そうだけど」
「やっぱり俺が朝迎えにいってやろうか〜?」
「それだけは嫌」
前に一回、朝迎えに来てくれた時があったが、本当に大変だった。
偏差値の低いこの学校は当然、不良やらギャルやら頭の悪い奴等が集まるワケで。
やはり不良の中でも響也の容姿は勿論、暴走族の総長というブランドを狙っている馬鹿な女共の、嫉妬は当然一緒にいたあたしに向く。
それから数日間は、くだらないイジメに呼び出しそれはもう面倒だった。
まぁ結局、響也が怒鳴り散らして面倒ごとはなくなったけど、今だに向けられる嫉妬の眼差しはいい気分はしない。