恋よりもっと―うちの狂犬、もとい騎士さま―
私に友達ができない事を、由宇はいつも気にかけてるみたいだったから、そういう友達ができた事で由宇も喜んでくれていてそれが嬉しかった。
いつも由宇に心配ばかりかけていたのは私なりに分かってたし、私が学校でひとりだから、由宇も傍にいるのかなって。
由宇に男の子の友達ができなかったらどうしようって、不安だったから。
由宇が喜んでくれるからって理由だけじゃなくて、もちろん自分に友達ができたのは素直に嬉しかったけど、その頃の私はやっぱり由宇を中心に色々回っていた。
家でも学校でも、由宇がいてくれるから上手く呼吸ができる。
おおげさじゃなくて、そんな感じだった。
お母さんが出て行ってから、仕事で忙しいお父さんに代わって、由宇がいつも一緒にいてくれたから。
今考えると、依存に近かったのかもしれない。
美里ちゃんと仲良くなったのをきっかけに、他にも友達はできた。それでも、由宇が誰より大切だった。
その頃からケンカ友達みたいな、兄妹みたいな仲だったから、素直に言葉に出した事はなかったと思うけど。