恋よりもっと―うちの狂犬、もとい騎士さま―


その程度だったから、名取くんもてっきりそうだと思ってたのに……。
まさか私が一度もメールを送らないだとかを気にしているとは思わなかった。

「俺は……できるならもう少し話したいとは思ってたよ。
ただ、いつも星崎が邪魔してたから姫川に近づけなくて、話す事すらできなかったけど」
「え、そうなの?」
「あいつ、すげー嫉妬深いじゃん。
だから、姫川に気がありそうな男子みんなマークして近づけないようにしてたんだよ」

思い返してみると、確かに高校の時男子と話した事ってあまりなかった気がする。
気にもとめてなかったけど、そういえば中学の時もそうだったかもしれない。

隣の席になった男子と授業中に少し話す以外は、男子と接する機会ってなかった。
修学旅行で、男女でグループを作ってグループ行動しなくちゃいけない時も、由宇が一緒だったから他の男子とは特に話さなかったし。

私も他の男子と話したいとも思わなかったから気にしてなかったけど……由宇がそうしてたのかと納得する。

「そうだったんだ」と呟くように言うと、名取くんが苦笑いを浮かべた。

「ちょっと異常だよな、あの執着心。姫川も重たかったろ」
「重たいって……なんで?」


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