生贄七人、ながし雛
「そうなんだ。置手紙もないし、電話もないし、メールもないし。どこに行ったのか、全然手掛かりがなくてわからないんだよね」

 私はため息をついた。

「B組の坂本さん、何か知っていたりしないかな? 部活の帰りに『ハピネス』に行くと、時々原さんと一緒にいたよ」

 バレー部に所属している彩佳は、背が高い。部活が終わるとお腹が空くといって、よくハピネスでミックスサンドをつまんでから帰るのだそうだ。

「そうか、『ハピネス』でバイトしてたもんね」

 B組の坂本あゆみさんは、比奈子と同じ喫茶店でアルバイトをしている。私は口をきいたことはないけれど、比奈子とは仲がよかったはずだ。

 昨日は店にいなかったけれど、何か知っているかもしれない。放課後、話してみることにした。
 
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