生贄七人、ながし雛
 昇降口で待ち合わせて、坂本さんと並んで歩く。

「ねえねえ、あゆみちゃんって呼んでもいい? いつまでも坂本さんって呼びにくくてさー。私のことは彩佳でいいから」

 一歩前を歩いていた彩佳が振り返った。

「じゃあ、私は志帆でいいよー」
「彩佳ちゃん、志帆ちゃん」

 そう言う坂本さん――あゆみちゃんは、少し恥ずかしそうだった。うわあ、すごく可愛い。癒し系とか言われているのがよくわかる気がする。
 
 だって、私今超癒された。

 あゆみちゃんの家は、学校から十分くらい歩いたとこにある新築マンションだった。入口を入ったところには、大きな植木鉢があって、きれいな花が咲いている。
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