生贄七人、ながし雛
「先に部屋に行っててくれる? お茶とお菓子持っていくから」
遠慮なく部屋に上がらせてもらって待っていると、トレーに山盛りのお菓子と、紅茶を載せたあゆみちゃんが入ってくる。
「はい、どうぞ」
「うわー、この紅茶すっごくおいしい!」
遠慮なく紅茶を飲んだ彩佳が感心したような声を上げた。
「よかったぁ……」
そう言うけれど、あゆみちゃんはやっぱりどこか元気がない。
「ねえ、何かあったの? 朝から元気ないみたいだけど……」
「……実はね……昨日、夢を見たの」
「夢?」
私と彩佳の声が綺麗に揃ってしまう。うん、とうなずくと、あゆみちゃんはぽつぽつと語り始めた。
「貴江の雛祭りの時に、女の子が行方不明になるって話知ってる?」
雛祭りが始まるのは、三月三日。それから一月続いて、四月三日に紙で作った雛人形を川に流して終わりになる。
「……昨日、変な夢を見たんだよね」
そういうあゆみちゃんの顔は、冗談を言っているようには見えなかった。
遠慮なく部屋に上がらせてもらって待っていると、トレーに山盛りのお菓子と、紅茶を載せたあゆみちゃんが入ってくる。
「はい、どうぞ」
「うわー、この紅茶すっごくおいしい!」
遠慮なく紅茶を飲んだ彩佳が感心したような声を上げた。
「よかったぁ……」
そう言うけれど、あゆみちゃんはやっぱりどこか元気がない。
「ねえ、何かあったの? 朝から元気ないみたいだけど……」
「……実はね……昨日、夢を見たの」
「夢?」
私と彩佳の声が綺麗に揃ってしまう。うん、とうなずくと、あゆみちゃんはぽつぽつと語り始めた。
「貴江の雛祭りの時に、女の子が行方不明になるって話知ってる?」
雛祭りが始まるのは、三月三日。それから一月続いて、四月三日に紙で作った雛人形を川に流して終わりになる。
「……昨日、変な夢を見たんだよね」
そういうあゆみちゃんの顔は、冗談を言っているようには見えなかった。