生贄七人、ながし雛
「栄子ももっと早く言ってくれればいいのに……一晩帰りを待ってたんだって」
お母さんの口調に遠慮がないのは、栄子さんがお母さんの従姉妹だからだ。
「とにかく、警察に連絡するようにって言ったけど、あなたも友達とかに聞いてみてくれる? お母さんは、今から栄子のところに行くから」
「うん、わかった」
着替えたお母さんが慌ててばたばたと出ていく。それを見送りながら、私はスマホを手に取った。
クラスの友達、予備校で知り合った子……相手によって文面を変えて、メール送信終了。
そうだ、と思いついて立ち上がる。
比奈子はアルバイトもしている。栄子さんがそちらに連絡してないというのは考えられないけれど、一応話だけしておこう。
◆ ◆ ◆
お母さんの口調に遠慮がないのは、栄子さんがお母さんの従姉妹だからだ。
「とにかく、警察に連絡するようにって言ったけど、あなたも友達とかに聞いてみてくれる? お母さんは、今から栄子のところに行くから」
「うん、わかった」
着替えたお母さんが慌ててばたばたと出ていく。それを見送りながら、私はスマホを手に取った。
クラスの友達、予備校で知り合った子……相手によって文面を変えて、メール送信終了。
そうだ、と思いついて立ち上がる。
比奈子はアルバイトもしている。栄子さんがそちらに連絡してないというのは考えられないけれど、一応話だけしておこう。
◆ ◆ ◆