意地悪なカレシと天然カノジョ
1 >>>> 起きてください
「ねぇねぇ、起きて」
「......楓花、うるさい」
「......今日何日ぶりに会えたとおもってるの?」
「31日ぶり」
「.......私がどれだけ寂しかったか知ってる?」
「そんなの知らないよ…」
「....大っ嫌い。もう別れる。ばか!」
彼氏のハルにそう告げて私はマンションの部屋から出ていった。
ハルはパイロットだ。私は編集者で、お互いに忙しいからあまり会えない。今日は久々に2人とも休みで31日ぶりに会う約束をした。
なのに、ハルは私が家についても寝てるばっかりだし....。そんなんなら枕と付き合えば?って思う。
しかも、会おうって言ったのは向こうなのに。
「(あ…荷物もってでるのわすれた)」
いま帰るのもなんとなく気まずくて公園で時間を潰すことにした。
冷静になってかんがえるとハルが眠いのも無理は無かった。
昨日のフライトは10時間だったからだ。なんで気づいてあげれなかったんだろう。
気づくと涙が溢れてきた。彼女なのに気づいてあげれなかった。
「(ハル、私のこと嫌いになったかな。)」
「やっぱりここにいた。」
ブランコに乗ってうつむいてると聞きなれた声がした。
「ハル…」
「もう、心配するだろ?」
「ごめんなさい。ハルのことなんにも考えてあげてなかった。10時間のフライトだったんだから眠くて当たり前だよね。彼女失格だ…」
だめだ、また涙が出てくる
「あぁぁ…もう、すぐ泣く。」
ハルは親指で私の涙を拭った
「あのね、楓花。どれだけ寂しかったか知ってる?ってきいてきたけど、そんなの俺だって一緒だよ。」
「え?」
「寝ちゃうのはさ、楓花といると安心しちゃうから。ホッとできるんだ」
「....。」
「楓花は俺のこと大嫌いって言ったけど、俺は楓花のこと大好きだよ。」
「....っ///!」
「それでも、俺のことが嫌い?」
私は横に思いっきり首を振る。
「首を振るだけじゃわからない。ちゃんと言って?」
い、意地悪だ。ハルを涙目で睨む。
「せっかくお土産かってきたのに、言わない奴にはあげない。」
「〜っ!」
ハルは私の弱みを知ってる
「ほら、どうおもってるの?」
「.......き」
「聞こえない」
「〜〜っ!!....大好きっっ!!」
言い終わるか終わらないかの瞬間
口はハルの口で塞がれた。
「よく言えました。じゃあ、帰ろっか」
「///っっ!!」
結局、大好きなんだと思う。
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