To important friends

そっとドアを開けて、私の目にはいったのはいつもの優雅じゃなくて真剣な表情でギターの練習をしている彼の姿。

「あ、れっ。ゆ、か？あぁみつかっちゃったかぁ」なんてばつが悪そうに言う彼の姿。言葉にできなかった私の姿を見てクスクス笑いながら「なーに？俺にみとれちゃった？」なんて冗談を言う。

「俺ね、いつか由香ちゃんに音楽をプレゼントしようって思ってギター始めた。プロになりたいとかそんなんじゃ全然なくて。それにどっちかと言ったら未来を不安にさせる仕事じゃなくてユタ兄みたいにいざってとき由香ちゃんを助けられる仕事したいし…」と、恥ずかしそうに話す彼の姿にすごく抱きしめたい気持ちでいっぱいになった。