To important friends
それからどんどん口にできる言葉が増えて行き、凛と俺を呼び分けするようになり始めるとある程度の人見知りは残るものの、他への興味へと少女の中でベクトルは移ったようだ。

「かー、だっこ!」と、キラキラした笑顔で凛にだっこをねだる。
そんな姿が可愛くて可愛くて…。

「ぷーしゃん?だっこーだっこー」と俺にキラキラした目を向けてくる少女に自然に笑いがこみ上げて来るのはしかたがないと思う。
いつになったら俺をぷーではなく父親だと認識してくれる日が来るのかと期待をしながら。

自分が仕事でと理由をつけて家庭をおろそかにしてしまっているのではと不安になりもする。

それでもこんな俺にキラキラした笑顔を、安心しきった寝顔を見せてくれる凛と渚に俺自身が癒しを感じているのは間違いない。
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