school of life❊。*
帝国学園高校2年生となった和泉さゆは
まだ一学期が始まったわけでもなく学校で入学式の準備やその後の学校の案内や説明の段取りを決めるなど、雑務に追われていた。
和泉一人というわけではなく、生徒会、学級委員会、各部の部長、担当の先生などと実行委員会を立ち上げてのおおがかりな準備であり、それぞれがそれぞれの作業をこなしているのであるが。
和泉のポジションは生徒会であったので
肉体的な作業などより指導を出すほうがおおかった。
なお、新三年生は春合宿のため不在であり、実行委員会はすべて新二年生とその先生で構成されていた。
「さゆ!」
「ああ、垣村。どうした?」
名前を呼ばれ振り返るとポケットに手を入れて一見暇そうにも見える生徒会の同級生がいた。垣村茜だ。
和泉が垣村のことを苗字で呼んだのは仲が悪いわけではなく、特に理由はない。
「飴矢が呼んでたー」
「急用?」
「たぶんそうでもないと思う」
垣村は苦笑いして、あいつ椅子でぐるぐるしてたよ、と付け足した。
飴矢というのは、この学園の生徒会長であり、俗に言う暇人だ。
「あのシロッパー本当に暇だな」
そうため息をついて、和泉はちょうど自分の持ち仕事は区切りがついたので
生徒会室に向かうことにした。
桜が満開だ、入学式まで持ってくれるかな、と自分にはあまり関係のないことを考えながら。