school of life❊。*
生徒会室
「なんの用だシロッパー」
生徒会室にはいってきたのは先ほど垣村に
呼ぶように頼んだ和泉さゆだった。
よく俺はシロッパーと呼ばれる。(たまにスイーツ)
おそらく俺の名前が藤田飴矢だからだと思う。
和菓子屋に生まれた俺は母がお菓子に関係する名前をつけたいと思ったゆえ、考えに考えぬいた名前だと父から聞かされたことがあり、父いわく
"俺は亜月(あずきにかけて)にしようとしたが反対された"
とのことだが、実際のところどっちもどっちである。
家が和菓子屋ということもあり、
甘いものが好き、というより甘いものが身の回りにあるのが当たり前の環境にいたため甘いものは必需品といってもいいくらいの存在になっている。
そして生徒会室に甘いものを度々持ち込んでは食べているのでシロッパーとかスイーツとか半ば皮肉で呼ばれている。
の、だと思う。
「学生寮の管轄誰だっけ?」
「永友じゃね?」
てっきり学生寮の管轄はさゆだと思って
呼び出してしまった。
「…あ〜〜〜無駄なことしちまったわ」
「まあまあ学生寮のほうはさ、説明と案内くらいしかないし、他の管理は基本おばちゃんとか事務の人がやってくれるから
大丈夫じゃない?…まぁ、学生寮のことでなんで用があったらわからないけど」
「いやいや、全くその通りだわ。
説明とか案内とかどーなってんのか
聞こうと思ったんだけどよ」
「?大丈夫でしょ、案内も説明も、実際に住んでる生徒がやるわけだからさ。」
「ま、確かにな…。ただ永友見かけないからあいつ、さぼりかと」
するとさゆは顔をひきつらせて
さすがにそれはないだろうと言った。
こいつ、なにか知ってるな。
生徒会の一員である永友がサボっているなんて他の実行委員に申し訳ないうえに示しがつかない。そう思っていた矢先、学生寮の案内や説明をする人間も決まってないようで、報告を一切聞いていないのでまさかと思った次第だ。
まぁ、まさか永友の担当だとは思ってはいなかった、さゆが忙しくて忘れたんだとばかり…。
いやな方向に話が転んでくれたなと
頭を軽く抱えるハメになったといえばそうだ。
「…今日永友いないのか」
「……………旅行だってさ」
「ほーーーーん。いいわ、学生寮の件は俺がやるわ。」
「そうか…、永友もう一生旅行してたほうがいいんじゃないかな」
「なんで?」
「いや、たぶんあいつ…自分の仕事忘れてると思うからさ」
「おいそっからか」