転校生

タオルの上から感じた
手の感触

私はその温かさに触れ
少しだけ嬉しかった

なぜ少しだけ?

…それは私にとって切ないものだから

どんなに好きになったって

所詮、叶わぬ“恋"だから


「香里、大丈夫?」

「うん、ありがとう」

「腹減ったなー、クリームデニッシュ買いに行こうぜ?」

「…」

祐希は私の手を引き学校の裏にある小さなパン屋に連れてきた

「今日は、奢り」

そう言って祐希はパンとアップルソーダを買ってくれた

「ありがとう」


2人で準備室で

パンを頬張り顔を見合わせた



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