転校生

ひとり上履きのまま校門を出た


意味もなく本屋の前で立ち読みをした


なんでかな…そこに本屋があったから


広げた本の文字が霞む


ふと気が付くと
聖也が私の肩を抱いていた


私…泣いていたんだ


無言の優しさに触れて


初めて自分の愚かさに気付く


天秤にかけた私は


逆に祐希の手のひらに乗せられ

落とされた



< 50 / 76 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop