君は私の希望の光
やっと病院に着いた
階段をひたすら登る

バン

「時哉先輩!」

そこにいたのは人工呼吸器を着けて苦しそうに息をする先輩がいた

「み…のちゃ…?」

「はい時哉先輩ここにいますよ」

「お…はよ…う」

「おはようございます。時哉先輩」

「アハハ」

と笑う

「何をしてるんですか?」

「挨…拶だよハァー」

と大きく息を吸う先輩
私先輩の手を握る

「は…じてめ…じふ…んからにぎっ…てくれた…ね」

「温かいね先輩」

「ほん…とう?う…れしい…よ」

「温かい、温かいよ先輩優しい香りにそれにいつもの声」

先輩は私の頭を撫でた
多分泣いていたからだ

「ひき…出しを見て…後…で今は…はなしたい…から」


「はい」

先輩が苦しそうになって行く周りには医者がいるけど、やることは尽くしたらいし

「ごめん…ね、でも…死ぬ前…にいい…思い出…できゴホッ…てよか…った」

「死ぬなんてやめて先輩」

「呼び捨て…でよん…で」

「時哉」

「しん…せんだね」

と微笑む

「時哉私からも、時哉のおかげで、一人じゃないって分かったよ。見るものがキレイになったよ、昨日の桜キレイだったよ、連れていってくれてありがとう」

とひたすらひたすら伝えた、お願い届いて
お願いします。泣きながら祈る

「ほん…とう?よ…かった…言った
…でしょ?俺…は美乃の…盾だ…って」

あの時の会話が頭をよぎる
その時、時哉も泣いていた


「私嬉しいよ。時哉のおかげだよ。ありがとうありがとうありがとう」

「今…辛い?」

「え!?」

「俺は…辛いなだって…美及に…会えなくな…るからゴホッ」

「私だって…私だって辛いですよ」

「み…ののとく…べつ…に…なれた?」

「え?!はい私の特別な人ですよ」

と泣きながら答える

「美乃…がいると……嬉しかった…好きだ…よ」

「先輩?」

「幸せに…なれた…?」

「うん、なったよ時哉先輩のおかげで見る物変わったよ」

「よかったっ…た」

とその言葉と一緒にピーーーと音がなり、私の頭を撫でていた、手の力と温かさが消えて行くそして今まで落ちていた涙ももう落ちていなかった、先輩の最後の言葉ははじめて、あった教室で私の怒鳴った言葉の答えだった

「先輩!!先輩!!先輩起きて嫌だーーーーーーーー」

と止まらない涙、先輩を揺らしても答えてくれない、笑ってくれないこんな絶望感は二度目だ。
今まで先輩のいた世界が茶番劇のようだ。


「十時二十二分」

と医者が読みあげると看護師たちが機械を片付ける

「嫌だーーーーーーーー先輩先輩」

でも、先輩は動かないただ、先輩は寝るように笑っていた


「嫌だ、また、勉強教えてよ!
なんで言ってくれなかったの?」

すると事故に合ったときに時哉先輩の世話をしてくれた看護師が

「時哉君ね、検査の時もうダメだったの、時哉君は小さい時から心臓が弱くて一年前から残りの時間は好きなことをさせてあげようって、ご両親と相談したの、そしたら、一昨日ね、先生にね「後少しなら俺に外出許可をくれ」って」

「…」

「その前に「もある女の子が来るけどその子には心臓の事言わないで」って頼まれたのよ。ビックリしたわ」

まるで看護師は先輩は悪い人じゃないよアピールのようだ
わかってる先輩は悪くないってことぐらい分かってる、自分の気持ちを潰す気分で聞いてたみた。

「ご両親は?」

「あら、聞いてないの?亡くなったのよ、母親は癌で父親は飛行機事故で大変だったわ、でも時哉君はただ黙ってた」

そうかだから、私の事を理解してくれてたんだあーあやっちゃたよ、なんでいつもこうなのもう取り返しつかないよ。

「なんで、嘘つくのよ先輩いつも笑っているのも嘘だったのかなぁ」

「それはないわ、前の検査の時あなたの事を話してたけど、とっても嬉しいそうで楽しそうだったから、注射してる時にあなたの話しを出すと十分は平気よ」

と看護師は笑う
その時思い出した

「引き出し!」

時哉先輩が言っていた引き出しの中のことだ
私は病室の引き出しを開けたそこには一つの小さな箱とその下に出かけた時に買ったレターセットの手紙があった
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