君は私の希望の光
しばらくすると心の溢れも止まり、静かに教室に入った

「先輩に挨拶もなし、人の昼寝を邪魔しておいてさ、でも人が来るとうるさいから出ようかな~?君も来たしね。」

と本を手に持って、立ち上がる。

ザヮーーー

その時、先輩の黒髪が空気の流れと共に揺れる、暗い教室に窓からの光が溢れ出す。そして男の人は微笑む
私は思わず先輩を見つめる…すると

「何?、不思議でしょ。金と実力があれば入れる、この学校に不良見たいのがいるなんて」

「…」

「黙んないでよ、俺 澤井 時哉君の一つ上」

私は戸惑う答えるべきか、それともいつもみたいに黙るか

「わ…私は…市野原 美乃です。」

この一言が私にとって、すごく難しい

「美乃ちゃんか、かわいいね」

はじめて、名前で呼ばれた

「ありがとうございます。」

「ちょっと、美乃ちゃん?!」

その言葉と共に、目から涙が出ていた

「あ!」

目を手でふくと

「はい、どうぞ」

と先輩がハンカチを貸してくれた
はじめての事ばかりこんなに優しくしてもらったこと、名前の存在を知った事

「ありがとうございます。」

と受け取った
微笑む先輩優しさの奥に悲しみを隠す先輩が分かった
この人何でこんなに、冷たい瞳を持っているの?

「ねぇーここだよね?うちらの教室」

他の子達が廊下を歩いて来る

「じゃ俺はここで」

と窓から飛び降りた

「え!?」

ここ二階なのに!?
でも、手元にはハンカチが残っていた
あの人は私にいろんな事を教えてくれた


今日は説明だけで、学校は終わった
帰り道に夕日を見て、あの冷たい瞳先輩の事を思い出した

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