君は私の希望の光
「先輩放してもらえませんか?」

「ごめん」

と先輩は手を離した

「あのハンカチありがとうございました。助かりました。洗いましたので」

とハンカチを渡す

「ごめん、ありがとう」

と笑う先輩の瞳はやっぱり冷たい瞳

「私は帰りますので、さようなら」

私はカバンを持ってドアに向かうと

「ちょっと待って」

と手を掴まれた

「え!」


「一緒に帰ろう」

何この感じ孤独感と真逆の感じ、いつも一人と言う字が大きかった私に一緒にいてくれる人が出来るなんて
はじめての事ばかり過ぎだよ

「はい、一緒に帰りましょう」

私は無意識に笑顔を先輩に見せる

「待て待てその顔反則」

「え?」

「何でもない」

照れる先輩が少し可愛かった
今日はたくさん笑えた
帰り道先輩は

「美乃ちゃんって市野原の娘でしょ?」

「え!?」

でもこの人になら話してもいいよね

「私は養子です。あの夫婦は子供が出なくて、施設にいた私を、私の親は小さい時に殺されました。」

「え?!!」

「父は有名な科学者で新しい、細胞を発見した事を憎んで、家を焼かれました。」

あまり不快にしたくないのに何で私話したのかな?
自分がいやになる

「ごめん、思い出させて本当に」

「覚えているのもいけないから」

「美乃ちゃんって自分を責めるの好き?」

「え?」

「その目見ると俺にはいつも強がっている美乃ちゃんがなんか、不自然なんだよ」

「私は強がってなんて」

「ほらまた、自分を盾にして人を守る、優しい事だけど、もっと人を盾にしていいんだよ」

私は優しくない、黙っていれば優しく見えるだろうけど、口を開けば人を見下して、不幸にしてなんての繰り返し

「それは出来ないです。私は自分が嫌いだけど、なんで嫌いかも知っているから、だから、自分を嫌いになってほしくないから、だから、私は盾になります。いくら険で刺されても」

「じゃ俺が美乃ちゃんの盾になるから、俺には素直に頼ってね」

その言葉だけでも嬉しくて、心か満たされるほど、そんな風に言ってくれる人がいなかったから
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