グッバイ・メロディー
「いやいや、ないことはないでしょうよ。どうしてもここだけ譲れない! っていうポイントもないの?」
「えーと……抱き心地?」
ヒデさんがまたもげらげら笑った。
「洸介くん、涼しい顔してけっこう大胆なんですねえ!」
そしてわたしの隣ではみちるちゃんが大爆笑だった。
「なんで笑うの!」
「だってこれ季沙のことでしょ?」
「知らないよーもう!」
こうちゃんってば、どこでもマイペースを発揮しないでほしい。
いくら地方の局だからといって、たくさんの人が聴いているんだよ。
はなちゃんも絶対聴くって言っていたよ。
べつに、わたしのことだなんて誰も思わないだろうけど。
こうちゃんだって、わたしのことを言ったわけじゃないかもしれない。