グッバイ・メロディー
「どうしてもダメだった。べつに誰だっていいはずだろって思って、いろんなコと遊んでみたけど。……ダメだった。やっぱり、どうにも、オレはみちるさんだけが好きだ」
体を貫かれそうに、可視化できそうに。
まっすぐな言葉。
想い。
アキくんの声は、どんなに切ない色をしていても、とても熱い温度をしている。
「ほんとに、勝手だね」
「勝手なのはどっちだよ。だったら最初から受け入れなけりゃよかっただろ」
「うん、ごめん」
何回その言葉をくり返すんだろう。
これまでに何度、くり返してきたんだろう。
「応えられなくてごめん。全部、ごめん。彰人はあたしを許さなくていいよ」
やわらかな、それでもきっと覆らない拒絶の言葉を残して行ってしまった背中を、アキくんの両足が追いかけたいと叫んでいる。
だけどそうしないのは、どうしてもそうできないのは、きっと彼がとても、あまりにも、みちるちゃんを好きなせい。