愛なんていらない。
だから、ただでさえ演技の上手い蒼なら隠そうとすれば騙せる
…経験上の話だけど
「シャワーを浴びるなって言ってるわけじゃねぇ。風呂に浸かるなって言ってんだ」
理解しているのかしていないのか、よく分からない顔で見つめてくる
目には何も映っていない
「うぅ…わかったよー。あまり迷惑掛けたくないしね~」
そう言ってふにゃりと笑った蒼を撫で、もう少し眠るように促す。
当分起きないだろう。
今日は相当疲れてるだろうし、どうせ泊まるから問題はないな。
「スー…スー…」
静かに寝息をたてはじめたのを見計らい、膝にのせていた頭を下ろす。