愛なんていらない。





「俺はあくまで姫側だからよー。燈と財っつったら財だけど」



「僕もー」



浅陽と千夏がさも当たり前であるかのように言い放った。



「ま、俺もなんだけど」



そう行った俺を2人が見て、笑った。



燈が居なくなってしなってた波鬼。


みんなまとまるかだって分からなくて、総長がいないなら見捨ててしまおうか。



とも思っていた、本気で。



でもそれをしなかったのは、陽架李がいたから。



守りたい人が居てくれたからだ。



下っ端もついてきてくれてたし、燈が居なくなっても全然悪くなんてならなかった。



むしろ充実してたぐらいだ。



「俺はさ」



おもむろに呟く。


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