愛なんていらない。
「浅陽…」
まだ、浅陽は決めかねているらしい。
浅陽をここに入れたのは他の誰でもなく、俺だった。
だがら余計に、元々燈についていく気などなかったわけで。
それが今に影響してるんだろうな。
陽架李が姫になって。
俺より陽架李といる時間の方が増えたのは、目に見えるくらい確かだった。
少し嬉しかった。
守るモノができたんだな、と親みたいな気持ちだった。
その時くらいから、燈とも話すようになった。
それまで喋ってなかったかって言えばそうじゃない。
浅陽は演技ってものが上手くて、殆ど気付く奴なんていなかったけど、それなりに人見知りはしてた。