愛なんていらない。
________
「んぁ?…………ゆう…」
静かな部屋を見渡しながら、さっきまで近くにいた彼の名前を呟いた。
気配もない…となれば、
外へ行っているのだろうか。
「っっ…」
“1人”が“独り”になったとき、
とてつもない虚無感に襲われた。
私はどうしてこうも独りになってしまうことに敏感なんだろうか。
周りには強く見せてるくせに…
本当に情けない。
_ガチャン
「ッ!ゆう…」
掛けられていた毛布を脱ぎ捨てて、玄関へと向かう。
できるだけ早く、会いたい。
もし湧じゃなかったら…
そんな可能性のあることも考えたくないくらいに、今は独りでいたくない。
「あ、起きたか?もう少し早く帰ってこればよかったな…」
「っっ!」
顔を見た瞬間に強ばっていた体から力が抜け、そのまま湧に抱きついた。