愛なんていらない。
「蒼なりに…あそこを守ろうと思ってるんや。倒れそうになったとき助けてやる。それが俺らの役目」
「あぁ」
納得してるかはわからないが、スッキリしたようだ。蒼が起きていたらできるはずもない話。
こうゆうことを俺に言ってくれるのは信頼されてるって思っていいのか……
それに重い話は好きじゃない。
…俺がさせてるのか。
間をおいて、もう一つの話に移る。
「蒼の家族のこと、やけどな」
「……」
「元々蒼も気にしてへんやろーな。興味持たんモノにはホンマ無関心やから」
「それは分かってる」
問題点を指摘するならば、蒼が今ここにいること。
悪いとは言わないけど…
家にいることに疲れたから波鬼に行き、そこにもいられなくなったから湧のこの家に来た、と。
一見、逃げてばかりで弱々しく見られるけど、実際は違ってる。
波鬼に住むようになったのは、不安定な仲間の傍にいることで、仲間同士のいざこざを防ごうとしたから。
ここに来たのは…
自分の選んだやり方でも、疲れてしまったから。