愛なんていらない。
俺らは支えるだけ…
蒼が壊れてしまわないように。
消えて、しまわぬように。
「ゆー、ゆーうーー」
「あ?」
「そろそろ行くからね、って報告だよー。湧こそ大丈夫?」
クスクスと笑って眉を下げている。
急いでるようには見えないけど、時計はそれなりの時間を指していた。
何故だか元気そうに見えるのは、きっと気のせい。
蒼はそう思ってほしくてそうしてるんだろうけど、流石に付き合いが長いだけあって、それが嘘だってことくらいわかる。
隠す癖はどうやって身についたんだか…
「もー、行くからね!」
頬を膨らませた蒼は、「ごちそうさまー」と手を合わせて、上着を持った。
そのまま玄関に向かい「行ってきます」と同時に出て行った。
行き先は倉庫だろうな。