愛なんていらない。
>>>>千夏
「今日来るかなぁ、陽架李」
「どーだろうな」
なんとなくで零した一言に、珍しく財くんが応えてくれた。
いやぁ…持つべきものは財くんだよ。
「ここにくるのが苦痛なら、来ないんじゃないか」
燈は来てないな…と付け足した財くん。
そう言えば僕と財くんしかいない。
今更すぎるけど…
財くんが反応してくれなかったら、僕は独りで喋ってたことになるよね。
財くん様様ってやつかな。
浅陽くんは常に放浪してるようなものだから、何処にいるのかはわからないし、知りたいとも思わない。
蓮くんは……多分、家。
話すことと同じくらい、学校に来ることは珍しい。
陽架李が頻繁に顔を出すようになってからは、回数が増えていた。
…ここでも彼女の影響の大きさを感じる。