愛なんていらない。
燈が1年いなかったことは決定的。
他の信頼は強まったけど、それに比例して総長への不信感も高まった。
そのことについて、姫の私は口出しすることが出来ない。
姫は姫、所詮姫でしかないから。
私が言えばみんな頑張って仲良くなろうとするだろうけど。
それは絶対にしてはいけないこと。
それだけは、どんなにピンチだったとしてもしちゃいけない。
その場凌ぎで無理に縛ることはしたくないから。
そんなものはすぐに壊れる。
きっと知らず知らずでお互いを傷つけていって、最後にはみんながボロボロになってる。
私は介入すべきじゃない。
みんなが解決していくもの。
…なんて無責任なんだろう。
「ごめん、なさい」
謝ったって、今更だし、あの頃に戻れるわけじゃない。
わかっていても、言葉にしないと自分が自分に押し潰されそうになる。
罪悪感が襲ってくる。
「陽架李が謝ることじゃない。俺らは自分自身の意志でここにいる。誰かに決められたわけじゃないから」
財が真っ直ぐに目を見て微笑んだ。
みんな、私に優しすぎる。