白い監獄
王子様
「無い!無いよ〜」

街灯の少ない暗い道

私に容赦なく降り積もる雪


私はどんどん重なっていく雪を、懸命に掻き分けていました。


「何で見つからないの〜」

もう…半泣きです…

見つからなければ家に帰れないんです。

暗くて恐いのに…

雪はどんどん私の探し物を隠していきます。

すごく寒いはずなのに、私の身体は汗でびっしょり!

「早く見つかってよ〜、どこにあるの?」


歩いた道を戻りながら、四つん這いになって必死に動き回る私…

しかも真っ暗な道で

きっと不気味…

でもそんな事は言ってられません!!

私はバス停までの道を見て途方に暮れてしまう…

だって私の家からバス停までは歩いて30分

それなのに大粒の雪が、どんどん降り積もってくる

あぁ、何時間かかるんだろう…

私はこれから探す道を見つめながら、ため息をつきました。

その時です。

あの人と出会ったのは…






「ど、どうしたの?」
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