白い監獄
「南條ってことは、うちの大学受けるの?」

「はい!」

「じゃあ、後輩だね雫ちゃん。またね」

素敵な笑顔を残して、竜井さんは去っていきました…
カッコイイ!

もしかしたら…校内恋愛…

ん?私が一年になれば、竜井さんは…

卒業してる!

私はがっくりしながらまたひんやり冷たい廊下を過ぎ、居間に入りました。






そんな夢のような日から数週間が過ぎ、ふと異変に気付いたのはマグカップでした。

あれ?私昨日マグカップ、洗った?

流しに洗って伏せてあります。

私はお茶ばかり飲むので、実はささっと水で洗ってまた使うという事をしています。

なので、わざわざ流しに伏せることなんてしないはずなんですが…

昨日コーヒー飲んで洗ったかも!

私はそう思うことにしました。

でも、帰ってくると居間のドアが閉まっていたり、2階のふすまが開いていたり…






小さな???が増えていくようになったのです。
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