白い監獄
私がそう思いながら茹だった身体を浴槽から出し、髪をシャワーで流し始めた時でした…

カタン…

そんな音がすぐ後ろから聞こえて、私は慌てて髪をかきあげ、後ろを振り返りました。

しかし、磨りガラスの向こうには何もありません…

「だれ……?」

シャワーで消されるとは判っていても、つい言ってしまいます。

しばらく見張っていても何も無かったので、気のせいだと諦めて再び髪を洗い始めました。

神経質になってるだけなんだ…

私は受験のせいで神経質に…

そう思いながら、張り裂けそうな心臓を我慢しつつ流してる髪の間から、真っ正面にある鏡で後ろの脱衣所を見てみます。

………

やっぱり、疲れてるだけ…

何にもないじゃない!

そう安心して全てを終わらせ廊下に出た瞬間、私は心臓が止まりそうになりました。






私の前に三歩だけ、私より大きい足跡が付いていたのですから……
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