白い監獄
怖いな………

バスを降りて、サクサクと雪の中を歩きます。

バスを降りると寒いけど、歩くと意外に身体は温まるもので、ひどい寒さにはなりません。

雪国で育つと雪道だってスイスイ歩けます

私は出来るだけ足早に歩きました



………でも………

サクサクと後ろから足音が聞こえてきました。

後ろを振り向いても、いつもそこには誰もいない…

「誰かいますか…?」

シーンと耳が痛くなるくらい静寂が広がります

「誰なんですか!?」

風がビュッと吹いて、私の髪を持ち上げます

私は諦めてまた前に進みます

心臓が張り裂けそう…

恐怖で涙が出そうで、ポケットの中の携帯を開き110と押しました

怖い…

後ろからまだ足音が聞こえて、どんどん近づいているような気がして…

私は発信ボタンを押そうかどうか真剣に考えました…



その時…
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