白い監獄
突然私の横にすごい勢いで白い車が横付けされました!

え!?

「雫ちゃん、発見!!」

窓が開くと、竜井さんが優しく微笑んでいました

ドッキーン!!

私は不安が一気に安心に変わり涙が溢れてしまいました

「雫ちゃん、早く乗って!あいつ、捕まえよう!!」

「え!?」

「早く!!」

私は急かされ、慌てて竜井さんの後ろの席に乗り込みました

「どうして?」

「俺の帰る時間、このくらいでさっき心配で君のアパートに行ったら電気ついてないみたいだから、もしかしてって戻ったんだ…
路地に入って君が来るか見ていたら、案の定後ろに若い男がついてたって訳!」

「わ、若い男?」

「青いダウンに黒のニット帽…暗くてそれしか見てないけど…」


竜井さんは急いで来た道を戻り、車を走らせました

やがてこそこそした影を見つけると、追いかけ始めます

「可愛い女の子の敵め!」

か、カッコイイ〜!!

この人は王子様じゃない!ヒーローだ!!

男は路地に逃げ込み、竜井さんがハンドルを切る

しかし、雪道の道路は車には明らかに不利です

犯人は見事住宅街に逃げ込みました…
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