白い監獄
「チクショー!逃げやがった…」

竜井さんはハンドルに頭を付けて凹みます

「でも…これでしばらくは何もしてこないですよ。本当にありがとうございます。それより、竜井さんが事故に遭わなくて良かったですよ」

「…雫ちゃん…ごめんね、捕まえられなくて」

竜井さんは振り向いて申し訳なさそうな顔をしました

「そんな…心強いです!ありがとうございます!!いつも、いつも」

私が笑うと、竜井さんもクスリと軽く笑います

あ〜!カッコイイ♪

「送りますね!」

「いつもすみません…」

「いえ、いえ」

竜井さんがゆっくり車を走らせて住宅街を出ました

こんな素敵な人が彼氏だったら、人生最高なんだろうな…

そんな風に、私は後ろから竜井さんを見つめていました。




「今日はありがとうございました」

家の前で降ろしてもらい、私はお礼を言いました

「うん、何かあったら電話しておいでよ」

「…でも彼女さんとかいたら…」

「あはは、いないよ!気にしなくていいから」

竜井さんは爽やかに笑って去っていきました



その日は安心できたのか何もなく、久々ゆっくり生活しました。
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