白い監獄



必死に勉強をしてると村井が肘を突いてきました。

「時間!」

私がパッと時計を見ると6時…私のバスの時間は10分。学校からバス停まで歩いて10分。

「ありがとう、後でノートよろしく!」

私と数人の人がこっそり教室を抜け、バス停へ走る…これが私の日常です。

雪道を揺られて1時間、降りて30分歩くと家。夏はもっと早いけど、冬は大変です…

私がトボトボ歩いてると目の前にあの黒いダウン…

え?

黒いダウンはしゃがみ込んで雪を掻き分けていました。

「り、竜井さん?」

パッと振り向くその姿は鼻も頬も真っ赤で、指まて赤くかじかんでいます…

「…まさか…」

「恰好悪いな…見つかっちゃったか…俺の予定では君のアパートの前で脅かそうと思ってたんだけど。…あ、もしかして見つかった?」

胸がきゅん!となります…

私受験生なのに!!

「いえ、雪がとけるまで少し待とうと思って…すみません、探していただいていたんですね…」

「どうしても気になって。また女の子が独りで探してたらどうしようって。それだったら、俺が探して何か奢ってもらった方がスッキリするでしょ?」
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