あなたの恋を描かせて
「葵が、欲しかったんだ」
「あ、ぇと………」
真っ直ぐすぎるよ城越くん……
どう反応すればいいか分からなくて、真っ赤になって慌てるわたしを見て、城越くんはふっと笑った。
そんな姿にキュン、と胸が鳴る。
「葵……葵の気持ち、教えて?」
「わたし、の…気持ち……?」
そう、だよね……
好きな人に、自分の気持ちを伝えるなんて、わたしなら怖くてできない。
でも……それでも城越くんは、わたしに好きだって言ってくれたから。
気持ちを真っ直ぐ教えてくれたから。
わたしも、ちゃんと自分の気持ちを伝えたい。
「わたし…わたしも………」
ぎゅっと、城越くんの制服を握りしめる。
伝わりますように……わたしの、真っ直ぐな気持ち。
「城越くんのことが……大好きです……っ」
その瞬間―――
「…んっ……」
わたしに降ってきたキスはすごくすごく、甘かった。
雨を通じて出会って
わたしはあなたに初めての"恋"をしました。
「城越くん……」
わたしは言葉が足りないから、その分、わたしはわたしが描いた絵で想いを伝えます。
「あなたの恋を、描かせて?」
Fin.