あなたの恋を描かせて
「多分、あの人にはバレてないと思うけど」
「なんでわたしの考えてること分かったの?」
「双子の勘」
「うっ………」
まぁ、たまにあるけどね。
あぁ、今こういうこと考えていそうだなぁ、って。
でもどうしてこんなこと分かっちゃうのよ。
「わたし、明日からどんな顔して城越くんに会えばいいのかな……」
好きだって自覚したとたんに、なんだか恥ずかしくて。
考えただけで頭がパンクしそうになる。
これが、"好き"……同じ"好き"でも全然違う。
特別ってこと、よく分かったかも。
「別に、今まで通りでいいんじゃ……って言われてもオレも無理だったけど」
「じゃあ浅葱はどうしたの?」
「オレ?オレは……」
そのあと、しばらくファミレスで浅葱の話を聞いていたら、帰りが遅くなってしまった。
それはもう、遅くなってしまって……
「「ただいまー」」
リビングに入るとお母さんがいて。
「おかえりなさい。あーちゃん、あーくん」
ふわりと笑ったお母さんに、背筋がヒヤリとした。
それは浅葱も同じだったらしく。
一歩下がった浅葱が逃げないように、わたしは浅葱の手を掴んだ。
その後、数十分お母さんに泣かれて、数十分お説教を受けました。