あなたの恋を描かせて
side 浅葱
「な、長かった……」
「だな」
疲れ半分、眠気半分の顔で力なく葵が笑う。
まぁ、こうなったのは自分たちのせいだというのは理解しているから、母さんを責める気は全くない。
それは多分、葵も同じだと思う。
明日起きれるかなぁ〜、と心配そうに言うけど、葵はこう見えて朝は強いから大丈夫だろう。
それよりも……
「葵。明日の学校頑張れよ」
自分の例があるからか、そればかり気になってしまう。
オレは……どうなったのか言うのはやめておこう。
葵はきょとん、としたあとに意味が分かったのか頬を染めた。
「……うん。頑張る」
「ん、頑張れ」
お互いおやすみ、と言ってから部屋に戻った。
カバンを置いてベッドに倒れ込む。
今日はいろいろ疲れた……
女子に囲まれたり、慣れない買い物に行ったり、葵とプリクラ撮ったり。
買い物はオレが頼んだんだけど。
あと、恋愛相談にのったり?
葵から恋愛のこと聞いたの初めてだな。
それはオレも同じだけど。
こんなとこまでいっしょって……双子って恐ろしい。