先生、スキでいてもいいですか?
「 おぃ、あぶねーだろっ!」
実験してることも忘れて、化学室の端から走ってくる。
「 やめろ!」
その声でしーんと静まり返る。
聞こえるのは、実験のボコボコボコ…って音だけ。
先生は男子生徒から椅子を取り上げると、2人の腕を掴み廊下に出た。
廊下に耳を澄ますと、
怒鳴り声。
「 だからって、やっていいことあるかろうがぃ。」
「 人の気持ち考えろ!」
「 周りの人がどれだけ怖がってたか分かるか?」
「 分かったなら、もういい。」
私は、2人に「 先生の気持ちも考えてみて欲しい 」っていいたい。
先生だって怖かっただろうな。
喧嘩を止めることは、教師として当たり前かもしれない。
でも、私はそれをできる柴倉先生を尊敬するよ。
怖いのも、魅力なんだよね。