先生、スキでいてもいいですか?
「えっと、カリスマ先生!! 」
5月の終わり
柴倉先生は、私たちのクラスになれてきたみたいだった。
よく冗談なども言うようになってきた。
これと言って面白い冗談はなかったんだけど、でも先生も笑顔で
教室も笑顔になることはいいことだと思うな。
そういえば、こんな実験をしたんだ。
硫黄の実験。
硫黄と鉄を熱して硫化鉄をつくるやつ。
あれ、匂いが半端ないの。
腐った卵の臭い。
「おぇ…私気分悪い 」
「 私も私も。」
「 俺も。 」
「 お前ら、大丈夫か?
窓全開なんだけど…。
んー廊下出てもいいよ。」
みんなは、廊下に避難した。
先生は匂いがうつんないように、新しい白衣を着こなしていた。
首には水色のタオルを巻いて…
みんなが廊下にいるとき、先生と避難してない20名ほどの生徒は、まだ実験をしていた。
私もその中のひとり。
でも、実験の班のメンバーはみんな廊下行ってたから、ひとりで実験してた。
「 ええっと…5班は一人か?
伊夏さん。」
後ろから急に声がする
振り向くと、後ろにはカリスマ先生。
「 うゎぁ!カリスマ! 」