先生、スキでいてもいいですか?
「お、亜希!
そいや、明日の理科なんだけど… 」




先生は笑いながら私に近づいてくる。



そんな先生の近くで、私は涙だらけの目を手でこすった。




先生に涙は見られたくなかった。




弱い女だと思われたくなかったから。





「 ……ッ!!
お前、泣いてんのか? 」








バレちゃったよ…。
さすがカリスマの柴倉先生。






「泣いて…ませんよ!
ほら見てよ、笑顔です。」




私は作り笑顔を先生に見せた。



「 嘘つくなや…
どうした?何かあったのか?」




いつものちょっと低い声じゃなくて、
優しい声で、先生は私に話しかけた。




もう…嘘は隠すことができないね。


でも、さすがに言うわけにはいかない。



「 先生には…わかんないよぉ…っ。」





私の、この悲しさ。


先生にわかるはずないじゃん。



私は、女子トイレに閉じこもった。



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