嘘つきな2人
麻貴は、小さくため息を溢す。


失礼な奴。


「はいはい。確か唯加は、ちゃんと自立してるよ?」

「どーも」

「褒めてないけど」


あたしにとっては、褒め言葉にしか聞こえません。


「でもさ~。あたしたちもカレンダーを捲る毎に、1日1日って年取って行くわけじゃん」

「捲る毎に若くなってたら、おかしいでしょ?」


もしそうなってたら、あたし達は何処まで戻るのよ。


麻貴の言葉にフッ。と、笑ってしまう。


「茶化さないの。シワシワのお婆ちゃんになった時。1人って、寂しくない?」

「その為に、老人ホームとかがあるんでしょ?」


今は、お年寄りに優しい世界になりつつあるし。

< 33 / 39 >

この作品をシェア

pagetop