press come dark behind
アキはメモ帳を取り出すと、【ありか】と書き、“か”の上に“を書いた。
すると“は点々の役割を果たした。
「ありが、になるわ・・・!」
「続きも解読していきましょう。
Sは“と”。4は“う”になります。
先ほどの3文字を合わせると・・・」
メモ帳に、“と”“う”も付け足す。
「あっ・・・」
そこに書かれていたのは、【ありがとう】だった。
「・・・ドウ、続きを説明してくれますね?」
「はい。わかりました」
アキに言われた旭は、説明しだす。
「多分、旦那さんは無口で感情を表に出さないような方だったのではないのですか?
だから、こんな暗号文を作り、朱鳥さんへずっと伝えたかった自分の気持ちを、伝えたのではないのですか?」
朱鳥さんは泣きながら手紙を抱きしめたまま言った。
「はい・・・旭さんの言う通りです。
ダンナは・・・ずっと無口で・・・何考えているかわからない人で・・・。
ダンナとは1度しかデートしたことないのです。
それも友達と一緒のダブルデートでしたし・・・。
ワタシ・・・後悔した時期があったんです。
ダンナと結婚して良かったのかなって・・・。
ダンナはワタシと一緒にいられて楽しかったのかなって。
それを聞けないまま旦那は死んでしまって・・・」
朱鳥さんは手紙をしわくちゃになるまで抱きしめた。