press come dark behind








「どうしてそこまでわかったんですか?」



戸塚先生が旭に尋ねる。




「簡単なことですよ。
積極的で、よく話す人なら、素直に言っているはずです。
それをこうして暗号にして伝えたんです。

中には例外もいると思います。
イタズラ感覚で暗号にする人も。

でも、暗号と一緒に書かれている文章を見て、確信しました。
イタズラ感覚で暗号にする人なら、他にも書くはずです。

しかし朱鳥さんの旦那さんは、朱鳥さんの名前と自分の名前しか書かなかったんです。
とても不器用で、暗号以外何を書いて良いのかわからなかったのではないのですか?」



旭、凄い分析力!

あの手紙から、送り主の性格もわかってしまうなんて。



旭の分析が合っているのか、朱鳥さんは何度も頷く。




「・・・小島さん。
これは僕の勘ですけど」

「・・・はぃ?」

「旦那さん、朱鳥さんと結婚して、後悔なんてしていないと思いますよ。
毎日が、凄く充実していたと思います。

それじゃなきゃ、ありがとうなんて伝えませんよ」



ニコリとアキは笑う。

つられるようにして、朱鳥さんも笑った。

朱鳥さんを見ていた戸塚先生も、つられて笑う。




朱鳥さん、良かったですね。








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