僕が君を好きなわけ
それも華乃より体格の良い、一見してワルガキとわかる男の子達。
誰もが華乃の泣き顔を予想し、僕でさえ名も知らぬ子へ巻き添えにして申し訳ないと、幼心に罪悪感を抱いたほどだ。
だが。
数分後、その光景は異様だった。
アザをてんこ盛りに作ってベソをかくワルガキ達の前に仁王立ちする、ほとんど無傷な小柄な子。
その顔には、勝ち誇った笑みさえあった。
まるで物語から抜け出した王子様のみたい。
…僕が女の子で、華乃が男の子ならの話だけど。
それはそれは見事な負け犬の遠吠えを鼻で笑いながら聞き流す様は、それこそ時代劇に出てくる伊達男並だった。
極めつけは。
『かわいいおんなのこが、ひとりきりであそぶのは、あぶないよ?』
わたしが守ってあげる。
…君きっと、性別間違えてるよ。
男の子だったら、きっと幼いながらに引っ張りだこのモテモテ人生を謳歌できただろう。
とはいえ、女の子の華乃に僕はしっかり目を奪われていたのだが。
キラキラの笑顔と共に差し出された手を、僕は呆けた顔で掴んでいた。
誰もが華乃の泣き顔を予想し、僕でさえ名も知らぬ子へ巻き添えにして申し訳ないと、幼心に罪悪感を抱いたほどだ。
だが。
数分後、その光景は異様だった。
アザをてんこ盛りに作ってベソをかくワルガキ達の前に仁王立ちする、ほとんど無傷な小柄な子。
その顔には、勝ち誇った笑みさえあった。
まるで物語から抜け出した王子様のみたい。
…僕が女の子で、華乃が男の子ならの話だけど。
それはそれは見事な負け犬の遠吠えを鼻で笑いながら聞き流す様は、それこそ時代劇に出てくる伊達男並だった。
極めつけは。
『かわいいおんなのこが、ひとりきりであそぶのは、あぶないよ?』
わたしが守ってあげる。
…君きっと、性別間違えてるよ。
男の子だったら、きっと幼いながらに引っ張りだこのモテモテ人生を謳歌できただろう。
とはいえ、女の子の華乃に僕はしっかり目を奪われていたのだが。
キラキラの笑顔と共に差し出された手を、僕は呆けた顔で掴んでいた。