シオン【完結】
「…お疲れ」
「…元はと言えば」
「え?」
祥太郎はキッと俺を睨みつけて
「りょうがあんな事聞くからだろ!!」
と泣きそうな顔で訴えた。
「…ああ、そうか、も?」
今度は祥太郎に肩を持たれ、前後にぶんぶんと揺らされる。
「だろ!?久美に言ってくれよ!!」
「久美、大丈夫だろ。照れてるだけだって」
「俺が大丈夫じゃない」
「……」
それは、もう。
どうしようもない。
すみませんでしたーって平謝りしか出来ない。
中学生って感覚、流石にそこまで気が回らなかった。
だって、二人とも俺の知ってる二人だったから。
「まあ、後で久美に言っておくわ」
「頼む」
意気消沈してる祥太郎にそう力強く言った。