シオン【完結】

昼休憩になってから、思い当たる場所を探す。
カバンはあるんだから、校内にいるのは間違いない。


人気のない屋上に続く踊り場とか、図書室とか。
普段使われていない教室も探したけど、いなかった。


……あ。

保健室。


まさか、そこで寝てるとか。


初日、俺がした様に寝てるのかも。


急いで保健室に向かうと、丁度保健室から出て来た祥太郎を見つけた。


保健室の先生に頭を下げてる祥太郎に声をかける。


「祥太郎!!」


祥太郎の肩が微かに揺れた。


息を整えながら、俺は祥太郎に走り寄る。


「……祥太郎」


祥太郎はゆっくりとこっちを向いた。
思ってた以上の冷たい視線にゴクリと生唾を飲み込んだ。
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