シオン【完結】
「祥太郎!」
自然と俺も笑顔になる。
また、こうやって笑い合えると思ってなかったから。
「うっわ、お前変わらないな」
「いや、それはこっちのセリフ」
昔と同じ様に、黒髪短髪でそれをワックスで上げてる。
あの時と比べて少しだけ肌が白くなったかな。
「ちょっとさー、公園とか行かね?」
「は?公園?」
「どっかに入って誰かに聞かれるのも嫌なんだよね」
「…いや、いいけど」
都心ではなくて、少しだけ離れてるここは駅から少し歩けば住宅街だ。
だから、公園も割と近くにあったりする。
一番近い公園に入ると、ベンチに座った。
まだこの昼間だ。
目の前では遊具で遊ぶ子供達が見える。