シオン【完結】
「んーと、えっと。どこから話そうかな」
「…何の話?」
祥太郎は腕を組んで、何やら思考を巡らせている。
それが何かわからず、俺は首を傾げた。
「うーん、いいや。単刀直入に言うわ。
りょう、過去に戻っただろ?」
「………は?」
一瞬、本当に祥太郎が何を言ってるのかわからなかった。
…過去に、戻った?
「え?」
再度、そう聞き返す言葉を吐くと祥太郎は続けた。
「…俺、戻ったんだ」
「……は」
それしか、言葉が出なかった。