シオン【完結】
文
―――――――その日はとても晴れていた。
秋晴れとはよく言ったモノで。
真っ青な雲一つない空を見上げながら、私は祥君の事を思った。
祥君が目の前でいなくなって、私は半狂乱だったらしい。
と、人づてに聞いた。
暫くは立ち直れなかった。
だって、私の彼氏だったし、本当に大好きだったんだ。
命日が来る度に、祥君の誕生日も思い出すし。
胸が苦しくて、何度も何度も泣いた。
祥君との思い出がたくさん詰まった日記帳は、どうしてもその日以降見る事が出来なくて。
捨ててしまおうと思ったけど、それは祥君との思い出も捨ててしまう様な気がして。
部屋の押し入れの奥底にしまい込んでいたんだ。
それから、すっかりその日記帳の事も忘れていたし。
祥君の事を忘れる事はなかったけど、少しずつだけど日々の生活を取り戻していた。