シオン【完結】


二人して寝転んで、天井を見上げる。
絡め合わせた手から伝わる体温。


「…来年は私、ピアスが欲しい」


そう、私は口にした。
私の耳に穴は開いてないから、遼佑は驚いてたけど。


理由も聞かずに、遼佑は了承してくれる。
きっと遼佑ならそう言ってくれると思った。


「絶対に、約束だからね?」

「ああ、約束」


そう言うと、遼佑は小指を差し出す。
彼らしいなって思わず、笑みが零れた。




「ゆびきった!」って歌い切ると、小指を離す。
それから、私はまた天井を仰ぐ。


「…楽しみだな」



そう出た言葉は独り事に近かったと思う。


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